冬をうまく乗り切るためのポイントと冬に多い病気
冬本番をうまく乗り切るためのポイント
12月に入り、冬本番になってきました。
今年は冷え込みが早く、大阪では24年ぶりの速さで初雪が観測されたとか。
童謡「雪」の中に「犬は喜び 庭駈(か)けまはり、猫は火燵(こたつ)で丸くなる」という有名な一節がありますが、皆さんの家の子たちはどうですか?
うちには犬も猫もいますが、ハロゲンヒーターの特等席争奪戦です…。
犬は庭かけまわりません。外に出すと寒くて震えています。皆さんのわんちゃんはどうですか?
特にいつも室内で生活している小型犬たちはこんな感じではないでしょうか?
いくら体が毛でおおわれていても、やっぱり犬も寒さを感じます。寒いということは、ヒトと同じように体に不調を感じることがあります。特にシニア犬や病気治療中の犬の体には相当な負担になっています。
ということで、今回はこれから本番の冬をうまく乗り切るためのポイントと冬に多い病気を少し紹介しましょう。
先ずは寒くない環境を!
【夜中の冷えに注意】
真冬は朝起きると冷え込んでいるので暖房やヒーターをONにしますよね。そして夜、布団に入るときに暖房をoffにするのが基本でしょうか。 てことは夜中とても冷え込んでます。天気予報の最低気温まではいかないとしても、都心部も暖房器具がなければ室温5℃くらいにはなりますかね。
ヒトは布団の中で暖かくして寝ているので大丈夫かもしれませんが、リビングにいる犬たちはとても寒い思いをしているかも。
そう、犬たちのためには夜の温度管理が必要です。特に日中と夜中の温度差は体への負担が大きくなるのでできる限り一定に保つようにしてあげてください。
【エアコンより床暖房】
暖房器具というと一番にエアコンを思い出しますよね。
もちろんエアコンは室内が暖まるので良いですが、エアコンだと足元が寒くないですか?
実は暖まった空気は上の方にたまり、冷たい空気は下の方にたまる性質があります。
下の方…犬たちは…足元にいる。そう、犬たちはヒトの足元の高さで生活をしています。
一般的なエアコンの室温センサーは、エアコン本体にあるので足元の室温よりもどうしても高めの室温を感知しています。たとえばエアコンを25℃設定にしていて室温調節されていても足元は20℃くらいになってしまいます。
また、一軒家の1階部分では地面からの床冷えもあるので、やはり床暖房の方が犬たちにとって保温効果が大きいですよね。ちなみに、床暖房の設備がない場合は犬用の電気カーペットを使ってください。
【保湿も重要ですよ】
寒い冬、もちろん室温管理が重要です。でも、冬は乾燥も気になります。特に暖房器具を使うとさらに乾燥してしまいます。湿度が下がるとヒトと同じで皮膚がフケっぽくなり乾燥し痒くなることもあります。
また、犬も乾燥すると呼吸器の病気になりやすくなるので、湿度管理も重要です。僕も毎年、冬になると背中の決まった部分が痒くてしょうがなくなります。そんな時は犬用の保湿スプレーを使っています。では、冬の適温適湿度はこんな感じです。
室温20℃前後 湿度40~50% 但し、わんちゃんの状態によって調整は必要になります。 子犬やシニア犬は体温調節や免疫機能が弱っていることも多く、ケンネルコフというヒトの風邪に似た呼吸器疾患など、病気になりやすい状態になりますので室温湿度をもう少し上げたほうがでしょう。
冬に多い病気
さて、病気の種類は沢山あり犬種によって多い病気、年齢によって多い病気などなど。
そして季節によって多い病気もあります。もちろん冬にも多い病気がありますので紹介しましょう。
やっぱり冬に多い病気は寒さが関係していますから、前に書いたように環境を整えて寒さ対策をしてくださいね。
【泌尿器の病気】
冬になると運動量が減ることや水が冷たいことなどで、水を飲む量が少なくなりがちです。
水を飲む量が少なくなるとオシッコが濃くなって尿道結石ができたり、腎臓に負担がかかり腎不全の発症を助長してしまうことがあります。
特にシニア犬は、冬に腎不全を発症してしまうことが多く、発見が遅いと長期間の点滴入院が必要になる場合や重症化すると命に関わります。 対策として、どうにかして水分を取らせるようにしてください。
参考にうちにも11歳のフレンチブルドックがいますが、ご飯をあげるときにぬるま湯を同量くらい入れています。
いかがでしょうか?
【呼吸器系の病気】
冬の寒さは体内の抵抗力を下げ、乾燥は喉や気管が刺激されやすくなります。
この状態では細菌やウイルスの増殖しやすくなり、呼吸器の病気を起こしやすくなります。
軽い場合は、ヒトの風邪と同じように咳が出るくらいで自力で回復していくでしょうが、やはりシニア犬になると肺炎を起こすこともあります。
年末・年始は特に注意を!
年末年始は、旅行に行ったり、親戚が集まったりとヒトも通常と違う動きをしますよね。
そうするとワンちゃんもいつもと違うことをするので体調を崩しやすくなります。
「旅行先でいつもと違うものを食べた」 「犬用のお節を食べた」 「親戚の子供が何か与えた」 などなどでお腹を壊して病院に来る子が沢山います。
でも、年末年始は営業している動物病院が少なくて大変です。だから、年末年始もワンちゃんにはできるだけ普段通りの生活を送れるように心がけてあげましょうね。
そう言えば、ペットビレッジ動物病院は年末年始も診療をしているのですが、普段通りにはいきません。
「12月31日には重症患者がやってくる」というジンクスがあります。
さすがに31日は早めに診療を終わって大掃除をして帰ろうと思っているのですが、一昨年は前足の骨折したワンちゃんが…。結局、紅白歌合戦が終わるころまで手術をしていました。そして昨年、「去年は大変だったね~」なんて笑っていたら、今度は椎間板ヘルニアのわんちゃんが…。
年明けまで様子を見る状態でなく、やはり「ゆく年くる年」の時間になってしまいました。
獣医師 藤野 洋 先生 プロフィール
神奈川県茅ケ崎市出身。
平成13年 日本大学農獣医学部卒業。同年獣医師免許を取得。
神奈川県や東京都の動物病院にて代診医として勤務後、平成16年12月に東京都調布市にて院長獣医師として勤務。平成18年7月に「ペットと飼い主様の幸せな生活のトータルサポート」をコンセプトに、日本では珍しいペットショップ併設動物病院とペットサロン6店舗を経営するとともに、自身も一獣医師として日々診療中。
【ペットビレッジ動物病院:http://www.pet-village.net/index.php】
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